HOME > 土曜セミナーレポート・土曜講座レポート > 土曜セミナー「東京都市大学原子力研究所の見学」 2015年6月20日(土)実施
「東京都市大学原子力研究所の見学」~原子力の平和利用推進時代に作られた研究用原子炉見学と福島原子力発電所の今を知る~ |
東京都市大学には教育研究のための原子炉があります。原子力の平和利用が始まった頃に作られ、1963年に初臨界を迎えました。現在、原子炉施設は廃止措置に至っており、大学では原子炉施設の廃止措置に関する研究をしています。今回のセミナーでは研究所の方々からお話をいただくとともに原子炉施設の見学をしました。 |
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今回お世話になった岡田往子準教授より、東京都市大学(旧武蔵工業大学)の原子力研究の歴史について説明を受けます。 |
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放射線計測器を身につけ、手続きを済ませるといよいよ原子炉施設の見学です。現在原子炉は廃止措置がとられ、燃料は米国に返還輸送されていますが、設備はそのまま残っています。 |
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階段を上って原子炉を上から見学します。何種類ものコンクリートで覆われた原子炉はTRIGA-Ⅱ型といい、優れた安全性と高信頼性から現在でも世界で数十基ほど運転しているものと同じ型です。 |
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原子炉の上で説明を受けます。岡田準教授も学生時代にこの原子炉を操作していたと当時の様子を説明してくれました。 |
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原子炉タンクの様子です。一番奥が炉心です。ここで作られた放射線を利用して脳腫瘍や皮膚がんの放射線治療の研究などが行われていました。 |
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続いて放射能測定器の見学です。原子炉運転当時は、原子炉から取り出される中性子を利用して、ごく微量の元素分析を行っていたそうです。現在ではその技術を生かし、福島をはじめ様々な地域の環境中の放射能を測定・分析する研究も続けられています。 |
最後に、原子炉の制御盤の見学です。ここには模擬炉心があり、燃料棒の模型などに触れることができました。 |
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本日施設の説明をしてくれた岡田準教授をはじめ、施設の方々と一緒に記念撮影。後ろに見えるのが原子炉のある建物です。 |
どのような目的で本セミナーに参加したのか、また、見学後に何を感じたのかなど、施設見学の前後に意見交換する時間を設けました。参加者からは「今後のエネルギー問題について関心が深まった」や「原子炉の安全性について知ることができた」という意見のほか、「有効性・安全性についてだけでなく、廃炉処理など現在残っている問題について、もっと知りたかった」という意見もありました。今回のセミナーは、原子力の利用について考える良い機会となりました。