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土曜セミナー「古文書へのいざない」 2014年8月23日

夏がやってきました。「古文書(こもんじょ)」の季節です。歴史家の皆さんはこの夏に古文書の文献調査に出かけることが多く、夏は古文書の季節です。この機会に古文書に触れることで往古の人々とのコミュニケーションを楽しんでみましょう。

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まず古文書に関する基礎知識を勉強しました。写真は、書状(竪紙)の形式と定型的な文言について説明しているところです。

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続いて、書状の出し方についての勉強です。昔は、写真のように、書状を懸紙(かけがみ)に包んで出しました。

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一方、懸紙で包むまでもない簡易的な書状のやり取りの場合は、書状の端に切り込みを入れ、できた幅狭の箋を巻きつけて封をしました(写真)。切封(きりふう)と言います。

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ここから古文書に記されるくずし字に着目しました。同じ字でもくずし方にはいろいろな形があります。古文書辞書を使ってくずし方のバリエーションを確認しました。

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書状でよく活用する表現を確認しました。写真は「御座候(ござそうろう)」。現在の「ございます」に相当する表現です。頻繁に活用する字ほど、より簡略化したくずし方になる傾向があります。

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ここから個々人で古文書の読解に挑戦しました。一字一句何が書いているのか想像を膨らませながら読み進めていきます。文脈が見えてこないとなかなか読めません。皆さん集中しています。

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最初に挑戦したのは、検地帳の読解です。記載された内容がある程度、決まっているため読みやすい文書の一つです。

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次に覚書の読解に挑戦しました。領主側から説明を受けた町役人らがメモ書きしたものと思われる文書です。書状になると、どこまでが一字なのかを見分ける必要が出てきます。

 

最近、古文書は昔あった災害(地震や津波など)の様子を知る手掛かりとして注目されています。往古の人々が残してくれたメッセージを受け止める術があれば、彼らに学ぶことはまだまだあるのでしょう。
皆さんも来年は古文書に触れてみませんか。