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社会講座「大山道をたどる」~柏尾通り part.1~

自修館から見える大山は江戸時代を中心に大山詣の信仰を集めた山でした。関東各地から大山に向かう道は大山道として栄え、現在に至っています。この講座はそんな大山道を実際に歩いてみようという企画です。
今回は柏尾通りに挑戦しました(戸塚~伊勢原までのおよそ30kmのうち半分を歩きました)。

 

 

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まず旧東海道(国道一号線)の不動坂にやってきました。江戸から大山詣でをする人は東海道で戸塚宿をめざし、ここ(柏尾村)から大山道に入りました。

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大山道を入るとそのスタート地点を示す、柏尾不動堂あります。この不動明王は大山寺の不動明王を分祀したもので、柏尾村の信仰を示すものです。不動坂の名前の由来にもなっています。

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その後は阿久和川沿いに北上します。川沿いは今でも静寂とした雰囲気を残しています。

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阿久和川沿いにある富士塚です。大山詣でだけではなく、富士詣の存在をうかがわせる遺構です。こうした塚は、容易には行けない富士山を日常的に信仰するために関東各地に残っています。

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阿久和川からそれて、東側の丘の方に進むと永明寺があります。その門前に「大山道」と彫られた道標と、不動明王をかたどった石像があります。

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弥生台付近を通り抜け、さらに東側の丘の上に進むと一面畑が広がる場所に行きつきます。晴れていれば、ここから大山が見えるはずでした。

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和泉小入口の交差点にある庚申塔です。向かって右面に、「東 かしわを道 南 ふじ沢道」と彫ってあります。 

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和泉小の近くにある出羽三山供養塔です。大山詣、富士詣につづき、出羽国(山形県)の出羽三山(月山・羽黒山・湯殿山)への信仰を表す石碑です。

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相鉄線・いずみ中央駅の付近で長後街道に合流します。その合流地点にある蚕御霊神塔です。明治初期に冷夏のために多くの蚕が死滅したのを悼んで建立された石碑です。

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昼食を食べた後、さらに歩いて今まさに境川を越えようとしているところです(高鎌橋)。境川はかつて武蔵国と相模国の境となった川です。今ここは横浜市と藤沢市の境になっていました。

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長後街道の最終地点の駅前商店街に入ってきました。かつてここは長後宿の宿場があったところです。いまでもその趣を感じさせます。

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本日のゴール地点である小田急江ノ島線・長後駅に到着しました。戸塚(不動坂)からここまでおよそ15kmを無事に踏破しました。

今回は大山道の一つ柏尾通りを半分、歩きました。道沿いには石碑や道標が残り、往時の雰囲気が残っています。江戸時代の人々の信仰心を十分に感じることができました。次回は秋休みに柏尾通りの残り半分を歩きます(長後~伊勢原)。