HOME > 土曜セミナーレポート・土曜講座レポート > 社会講座「中世の城郭めぐり-鉢形城編-」
鉢形城は戦国初期に関東管領山内上杉方の城郭として築かれました。太田道灌が攻めたこともある城です。その後、戦国中期に北条氏康が北関東に勢力を拡大すると、氏康の四男 北条氏邦が入城し整備拡大しました。そして甲斐や信濃から侵入する武田氏や上杉氏に備えました。それから豊臣秀吉が小田原攻めをするまで25年に渡って維持されました。
今日はJR八王子駅に集合し、そこから八高線(八王子-高崎)で北上して埼玉県大里郡寄居に向かいました。移動時間は2時間。荒川の上流に当たり自然豊かな場所です。戦国大名北条氏の支配範囲の広さを実感します。
寄居駅からバスで鉢形城の城内まで移動しました。まずは平成16年にオープンした歴史館で予習をしました。ここには鉢形城全体のジオラマがあり音声や映像での解説で地形や縄張り(城の構成)を確認することができます。
1時間ほど歴史館を見学した後、外に出て鉢形城の散策に出かけました。歴史館のある外曲輪(そとくるわ)から深沢川を渡って大手に回りました。写真はかつて大手門があったとされる場所です。
逸見曲輪(へんみくるわ)をめぐった後、三の曲輪へ。復元された石積み土塁は規模が大きく、鉢形城の壮大さを感じさせます。写真は三の曲輪に復元された四脚門です。門をくぐり抜けると秩父曲輪です。
三の曲輪には井戸の跡地も存在しました。三の曲輪と二の曲輪の間には深い堀が掘り込まれています。さらに二の曲輪は土塁で囲ってあるので高低差が増大されています。写真は三の曲輪から二の曲輪を眺めた物です。
最後に本曲輪を巡りました。鉢形城は荒川に面して築城され、川に面した側が崖になっています。本曲輪がある場所は崖が最も高くなっており、攻めにくい箇所です。豊臣軍に攻められた際、北条氏邦はここに1カ月籠城しました。
この日は梅雨の合間で途中日差しもあり暑くなりました。鉢形城散策は1時間半。曲輪と曲輪を巡り歩きながら、城郭の全体像を体感することができました。帰りは、徒歩で寄居駅まで戻りました。鉢形城の近くには花園城や天神山城など北条氏関連の城郭が存在します。機会があればまた訪れてみたいものです。