HOME > 土曜セミナーレポート・土曜講座レポート > 土曜セミナー「文学散歩 in 鎌倉」
文学作品や作家にゆかりのある地を訪ねるのを文学散歩といいます。
今回は鎌倉を訪ねました。鎌倉は古くから多くの文学作品に登場しています。
自修館では4年次の現代文の授業で夏目漱石の『こころ』を読みますが、『こころ』の冒頭部分も鎌倉が舞台になっています。そんな鎌倉の文学散歩に、5名の生徒が参加しました。
北鎌倉駅に集合し、文学散歩がスタートしました。北鎌倉駅は小さな駅ですが、趣のある素敵な駅です。ここから徒歩1分、円覚寺に向かいます。
円覚寺の入口です。円覚寺の正式名称は瑞鹿山円覚興聖禅寺(ずいろくさんえんがくこうしょうぜんじ)。臨済宗円覚寺派の大本山で、鎌倉五山の第二位のお寺です。鎌倉時代後半、北条時宗が宋の僧・無学祖元禅師を招いて創建しました。夏目漱石や谷崎潤一郎など、有名な作家たちが参禅したことでも知られています。
円覚寺の山門です。夏目漱石の『門』という小説にはこの円覚寺が登場し、その題名はここの山門から付けられました。思っていたよりも大きな門に、生徒たちもは驚いていました。『門』の一部分を文芸部の生徒が朗読してくれました。
鶴岡八幡宮の舞殿です。『吾妻鏡』によれば、静御前は恋人・源義経を慕ってこの舞殿で「しづやしづしづのをだまき繰り返し昔を今になすよしもがな」と詠ったそうです。恋人を想う静御前の気持ちに少し切ない気分になりました。
鶴岡八幡宮ではおみくじを引きました。右の生徒はおみくじを逆さに持っています。「勉学で失敗すると書いてあったから、そうならないように逆さまにしてみた!」ということです。
鎌倉文学館は、もとは旧前田侯爵家の別邸でした。広い庭園と青い屋根が美しい洋館が印象的です。ここでは「没後60年 堀辰雄展」が開催中でした。スタジオジブリの作品に『風立ちぬ』という映画がありますが、その原案の作品である『風立ちぬ』や『菜緒子』という小説を書いたのが堀辰雄です。国語の教科書や資料集でしか見たことのなかった名前でしたが、身近に感じられました。
高徳院は大仏で有名です。ここには与謝野晶子の歌碑があり、「かまくらやみほとけなれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな」と刻まれていました。「与謝野晶子は大仏をイケメンだと思ったのですか!」と生徒たちは大騒ぎでした。
帰りは長谷駅から江ノ電に乗り藤沢まで行きました。今回の文学散歩はここで終了です。
連休の中日ということもあって、鎌倉はたくさんの人でにぎわっていました。もう少し空いている日に自分でも行ってみたいと文芸部の一人は話していました。
鎌倉は実にたくさんの文学作品の舞台になっています。辺りを歩いていると、文学作品の記念碑などがぽつんとあることもあります。せっかく近くにある名所なのですから、皆さんもぜひ鎌倉で文学散歩を楽しんでみてはいかがですか。