本日は木曜日ですので、先週同様、私のSS(セルフサイエンス)の授業について掲載したいと思います。
私はいつも、授業開始7~8分前に教室の中に入り、一番後ろの生徒の席に座って生徒たちの様子を眺めています。1年生たちもそれが普通に思っているようで、普段のままの姿を見せてくれており、生徒たちがどのようにして休み時間を過ごしているのかよく分かり楽しいです。
毎回、前時の授業で使用した黒板を綺麗にしてくれる生徒がいるのですが、「この黒板消し、すっごく使いやすい。綺麗になるよ。」と友達と話していました。そうです。昨日の本ブログで掲載しましたが、生徒たちの手で蘇った黒板消しを彼は使用していたのです。「それは、昨日、生活委員会とクラスの代表たちが修理していた黒板消しだよ。綺麗になるだろう。大事に使ってくださいよ。」と彼に声をかけると、「本当に綺麗になりますよね。すごいですね。」と笑顔で応えてくれました。昨日の努力が実っているのを感じる瞬間でした。
さて、授業は「音の無い世界」というテーマで生徒たちに考えてもらいました。まずは、私が口パクをして何を言っているのかを当ててもらました。ほとんどの生徒が理解できません。50音のカ行なのかタ行なのか、口の開け方だけでは区別がつき辛いようです。そこで生徒同士ペアになり、お互い50音・果物・好きな物などを口パクをしながら当てあってもらい、どのように感じるのかを体験してもらいました。
次に、もしも相手が何を言っているのか聞こえなかったり、周りの音が聞こえなかったりしたとき、どんなことが困るのかをワークシートに記入してもらいました。『電話ができない・テレビの情報が分かりにくい・好きな曲が聴けない・ドアを叩く音が分からない・後ろから車などがきても分からない・会話が成立しない・寝ていて火事になっても火災報知器の音が聞こえない』など、たくさんの意見があがりました。では、「どうしたら伝えることができるのでしょう。」という問いに『文字を書く・手話・身振り手振り表情で伝える・匂い(臭い)で伝える・光で伝える』などの答えがありました。生徒の中には、小学校の時に学校で手話を少し習ったという者もおりました。そのあと、「もし自
分の耳が不自由だったらどうやって分かろうとするだろう。」という質問をすると、先の答えのほかに『相手の口をみる』という答えが出てきました。最初に体験していますので、すぐに頭に浮かんだようです。
「さらに分かりやすく伝えるためには。」と聞くと、『はっきり、ゆっくり口を開ける・相手に口を見せる・複数でいる場合は同時に話さない・身振り手振りをつける』などの答えが返ってきました。
先週・今週と疑似体験をしてもらうことで相手の立場になり、どのようにコミュニケーションを取るべきかを考えてもらいました。自分に置き換えることで、自然にどうしてほしいのか・どうするべきなのかが実感できたと思います。
普段、日常生活において気に留め続けることはあまりないかもしれませんが、体験して感じたことを心の片隅に残し、必要な場面に遭遇したときは自然に相手の立場になって考えてほしいと思います。