本日は木曜日ですので、私が受け持つ1年生全クラスのSS(セルフサイエンス)の授業がある日です。前回は、「伝えることの難しさ」というテーマで行ないました。内容は、『①自分の描いた絵を言葉だけで相手に説明し、聞いた側が絵にするというもの、②簡単な伝言ゲーム』でした。①については、どれだけ細かく説明したかによって原画により似てくるかが変わります。しかし、実際に始めてみると、自分では十分説明していたつもりでも相手には伝わっていないこと、間違って伝わることがあることなどが分かったと思います。今回は絵ですが、自分の気持ちや意見などでも同じ
であり、より相手の立場になることの重要性を感じてくれたことでしょう。
また、②については日常生活の中で、誰かに「○○さんに言っておいて。」と頼んだけれど間違って伝わっていたということはよくあるケースです。伝えたいことがある場合は、直接その人に話をすることが一番であり、間に人が入れば内容が薄れたり真逆になったりすることがあることをゲームをしながら理解できたと思います。
そして、本日は相手の立場になる疑似体験をしてもらうことにしました。内容は、ペアになって一人が目を瞑り、もう一人が誘導するというもので、4つのパターンを実施しました。『①しゃべらず、触れず、手を叩くだけ②触れず、声をかけるだけ③手をつなぎ、誘導者のペースで歩く④手をつなぎ、目を瞑った者のペースで歩く』というものです。歩くのは教室の中ですから、通路は決して広くありません。実施してみると、生徒たちは①のときが一番怖かったと言っていました。周りでも手を叩く音がして、どれが自分を誘導する相手の音か区別できなかったからです。(中
には、そのことに気がついた生徒もおり、手の叩き方を変えるなどの工夫をしておりました。)
疑似体験で目の不自由な方の立場になると、机や椅子でも歩くのにこんなに邪魔になると分かったはずです。そして、①のようにたくさんの音が雑ざり合ってしまうと、音を頼りにすることの難しさを感じたと思います。相手の立場や気持ちが分かったならば、自分はどうしたらよいのでしょう。本日の一番考えてほしいところですね。直接目の不自由な方に声をかけるということもあると思いますが、普段から点字ブロックの上に自転車を置かない・荷物を置かない・立たないなど心掛けることもできるでしょう。家族や周りの人にこの体験を通して感じたことを伝えるということもできます。生徒たちは、真剣に考えてくれておりました。
僅かなことでもかまわないので、自分たちのできるところから行動に移していってほしいと思っています。