雲ひとつなく、とても良い天気となり、箱根連山のあいだに雪化粧をした富士山がはっきりと見えています。北海道・東北・日本海側などの多くの地域において、爆弾低気圧による大雪・暴風の影響で被害が出ており、申し訳ないくらいです。でも、本校の周辺でも今朝は氷点下となり、とても寒い状況でした。
さて、生徒たちは、そんな寒さも物ともせず、元気に答案返却日2日目の今日、登校してきています。普段、登校してくる生徒たちが校舎内へ入るには、2階風除室・1階ギャラリー・3階段(主に自転車通学者)・2階A棟とB棟の間・カフェテリアの5箇所となりますが、本日は生徒全員に風除室を通ってもらうため、2階風除室以外の扉は鍵がかけられておりました。それは、今年度に落し物として学校へ届けられ、誰のものか分からず持ち主へ返却されていない物品を公開するためです。本校では「物へ込められた思いを理解し、大切にする気持ちを培ってほしい。」と、入学時にそれぞれが6年間使用する机と椅子を
組み立ててもらっております。そのためか、生徒たちも机・椅子に関して大切にしてくれているのが日々の生活から見て取れます。しかし、本日の遺失物公開で並べられている物品には驚かされているとともに、正直なところ残念でなりません。水筒・傘・単行本・辞書・メガネ・腕時計・マフラー・セーター・体育館シューズなどからキーホルダーなどの小物まで、様々な物がテーブルの上に並べられていました。金額ではないのですが、それでも高価なものも含まれています。
自分で購入した物、誰かから戴いた物など、無くなっては困るものばかりではないのでしょうか。こうして公開のテーブルの上に並ぶということは、申し出てきた者がいないということになります。無くなって困っていたけれど、どうして良いか分からずにいたという生徒も中にはいるのかもしれません。物が溢れている時代、食べる物に困らない飽食の時代と言われ、子どもたちの中にも「無くなったら、また買えばいいや(買ってもらえばいいや)。」という考えが蔓延ることを危惧します。もちろん、すべての生徒がそうであるというわけではありません。こうして遺失物の公開を行ない全校生徒に確認させることで、一人でもいい加減な生徒を減らし、ひとつでも多くの物が持ち主のところへ帰り、その機能を発揮できるようにしたいと
考えます。また、無くしたものは探せば出てくるということも実感させたいところです。私が見ている間にも「これ(マスコット)、私のです。」と、女子生徒が担当教員へ申し出ていました。
朝7:00から準備をしてくれていた担当の先生たち、本当にありがとうございました。きっと、生徒たちに我々の気持ちが届くことでしょう。