本日も昨日に続き冷たい雨が降っています。しかし、昨日と違うのは風が強いという点です。朝、登校してくる生徒たちは、傘が逆に曲がってしまい直すことに必死になっていたり、完全に傘の骨が折れて友達の傘に入れてもらったりしていました。また、紅葉・黄葉となった木々もこの風の影響でかなりの葉が地面に落ちてしまっています。昨日はあと2週間ほどは紅葉を楽しめると掲載したのですが、あやしくなってしまいました。
さて、昨日は4年生たちが本校の教育の根幹をなす探究の修論(論文)提出日となっていました。毎年4年生たちは、これまで調べてきた独自のテーマについて20,000字以上にまとめます。1年生で探究の基礎を学び、2~3年生で週1時間の探究の時間を通してゼミ担当の教員とやりとりしたり、探究文化発表会へ向けてパワーポイントを作成したり、時には同じゼミの生徒とディスカッションしたりしてきました。そこで、疑問→仮説→検証(実験・フィールドワーク・文献等)→結果・まとめという問題解決のプロセスを学びます。これは、単に20,000字書くことが目的ではなく、学びの本質を理解することが大切です。
興味関心を持ったことを自分なりに考えまとめていく、その過程に様々な方の意見を伺い、その職業観も感じることができます。今、世の中で求められる力として、「何を知っているか」ではなく、「何ができるか」「何を創造できるか」「自分の意見を言えるか」ということがあげられます。探究を通して、この力は十分身についていくと考えます。確かに、まとめているときは大変かもしれませんが、書き終えた後に達成感や満足感、そしてなにより自分のオリジナルな論文を見ることができるのです。
多くの生徒たちが、ここ数日、ゼミ担当の教員のところへやってきていました。中には、1年を通して書き上げているはずなのですが、検証の仕方や結果が曖昧であったりとこれまでに何度もダメだしを受け、昨日もゼミ担当の教員と真剣に向き合い話している姿もありました。昨日までに提出された修論は、ゼミ担当の教員が自分のゼミ生すべての論文を読みチェックし、書き直しを告げる場合も出てきます。また、受理された修論の中から各ゼミの優秀作品が選ばれ、さらにその中から10作品が選ばれます。その10作品は、その年度の「学思」という修論集に載せられ、学年全員に配られます。さらに、数点は外部コンクールへも出展される予定です。
昨日提出されたばかりですので私もまだ読んでいませんが、彼らが一生懸命に書いた力作を読めることを楽しみにしています。一般の方には、来年の探究文化発表会の展示にてご覧いただくことができます。少し先のこととなりますが、楽しみにしていただきたいと思います。