本日は「夏休みを振り返る」シリーズの最終回としたいと思います。その内容は、私が参加したセミナーについてです。本校には土曜日の午後や長期休暇中を利用して生徒や保護者が参加できるセミナーがたくさんあります。今回は、夏休みの特別セミナー「セイルトレーニング」~ヨット体験を通じて学ぶEQ~に生徒7名とともに参加してきました。そもそもこのセミナーは、本校卒業生のお父様からの紹介から始まりました。お父様の中高時代の同級生がNPO法人日本セイルトレーニングスクール(STSJ)を立ち上げられ、青少年の「心の知能指数(EQ)」を伸ばし、心の豊かな社会性のある若者を育てる社
会教育プログラムの実践を目指していたところから、日本で教育にEQを最初に導入した本校にぜひ参加してほしいという話になったとのことでした。
「セイルトレーニング」では何をするのかということですが、帆船(ヨット)の乗組員として操船や船の保守などの作業に加わり、刻々と変わる自然環境を相手にしながら目的達成のために協働作業を行います。そして、乗船前に抱く心の状態と体験後に抱く心の状態を簡易EQ検査(乗船前・下船後に実施)を通じて教育効果として捉え、体験者にフィードバックすることでその後の社会生活を送る上での自信に繋げていくというものです。今回、私はまったくの初心者でしたが、私とともに参加した教員は6月に事前練習をさせてもらっていましたので、イメージを掴んでいました。
8月18日(月)の朝8:00に京浜急行三崎口駅に生徒も集合し、油壺へ向かいました。乗船前に簡易EQ検査を行い、ヨットの構造や操作の仕方などを伺った後、いよいよ出発です。STSJの方が5名と生徒7名がヨット(帆船)に乗り、私と教員は伴走用のモーターボートで海へ繰り出しました。ヨットは風を受けて進むのですが、風に向かって行くときはジグザグに航路をとります。その際、帆の入れ替えを瞬時に行わないとスピードが落ちてしまいます。この帆の入れ替えを協力して行うことが求められるのです。生徒たちは、4名と3名の班に分かれ、それぞれがロープを引く者、緩める者、進行を決める者などに分かれ行うわけです。始めはSTSJの方が見本を見せてくださりポイントを教えてくれるのですが、そのあとは自分たちでどうすればよいか考えながら進めていきます。お互いの息を合わせるために声を掛け合ったり、タイミングを変えてみたりとするうちに、帆の入れ替えがスムーズにできるようになると、ヨットはそのままのスピードで海面を気持ちよく滑るように進むようになります。それが実感できるようになった頃から
か、生徒たちの表情から不安な様子が消え、楽しい笑顔が溢れるようになりました。
慣れてきたところで、帆の入れ替えを何回も連続で行わなければならない360度旋回する難しい技術にも挑戦していましたが、なんとかこなしていたようでした。伴走船に乗っているときに聞いたのですが、ヨットは風に向かっているときには風を感じるけれど、追い風になると風の速さと同じ速さで動くために風を全く感じなくなり、あまり楽しくないとのことでした。
陸に上がってからは、再度簡易EQ検査を実施しました。この結果分析は後日となりますが、非常に興味深いところです。生徒たちにとっては、めったにできない体験をすることができただけでも嬉しかったようです。最後に一言ずつ感想を述べていましたが、ある生徒が「チームワークの大切さとコミュニケーションの大切さを実感できました。」と話していました。普段、そのようなことを言うタイプの生徒ではないため周りからは笑いが起こっていましたが、彼は爽やかな表情で、本当にそう感じていたようでした。
今後もSTSJと連携をとりながら、セイルトレーニングセミナーを開催していければと考えているところです。