自修館は、こころが育つ進学校。しっかりと、のびのびと「生きる力」を身につけます。

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学校長の部屋

心に残る贈り物

今朝方までの雨もあがり、日も差して暖かくなっています。天気予報では夏日になるところもあるとのことですので、体育の授業や部活動等ではそろそろ熱中症対策も意識する必要があるでしょう。

DSC02634.JPGさて、本日から5月に入り、明後日からは連休となります。連休中の5月5日はこどもの日ですが、男の子のいる皆さんのお宅では5月人形を飾られておりますか。先日、天気の良い日に校舎5階から大山を眺めていると、視界に鯉のぼりを発見しました。青空と大山をバックにして優雅に泳ぐ姿に、しばし見入ってしまいました。5月人形や鯉のぼりは、男の子が生まれたときに無病息災、無事を祈って購入されたり、贈られたりしているのが常ですね。そこに親や周りの人たちの思いが込められています。

自修館にも、5月人形(?)がお目見えしました。場所は、学DSC02632.JPG習棟A棟3階の「いろり」です。立派な甲冑とケースに入った弓、刀が置かれています。普段、囲碁将棋部が活動しているいろりですが、自在鉤がはずされ、少し雰囲気が違って見えます。生徒たちも「すごい。」と驚いていました。まさか、学校に飾られるとは思ってもみなかったのでしょう。この連休が終われば片付けてしまいますので、皆さんに観ていただくことができないのが残念です。

この甲冑は今年から生徒の目に触れているわけですが、実は頂きものなのです。9期生(平成25年3月卒業)の男子のご家庭からつい先ごろ頂きました。彼は1年間進路へ向けて頑張り、DSC02443.JPG今春みごと東京理科大へ合格をはたしてくれました。9期生の学年主任がお母様からの申し出を受け頂くことになったのですが、そのときの会話で彼のお祖父様が本学園の前身である湘北中学校の卒業生であるということが分かりました。そのお祖父様も、学校で使ってもらうようにと話されていたとのことでした。まさか、卒業して1年も経ってから分かるとは思いもしませんでした。人の繋がりの妙を感じます。

本校には、他にも卒業生や保護者から頂いたものがあります。たとえば、3月に学生ホールに飾られていた雛人形は、2期生女子の卒業時にご家庭からいただきました。また、いろりの壁とDSC02636.JPGラウンジの壁に掛けられ続け15年目となる絵は、1期生のお母様の作品です。いろりにあるお相撲の番付表と、今は倉庫にしまってある1964年東京オリンピックのポスター(当時のもの)も2期生のご家庭からいただきました。生徒たちは、普段当たり前のように目にしているのですが、その物の持つ意味を分かっている者は少ないかもしれません。先日、職員の朝の打ち合わせにて尋ねてみたところ、誰からの頂きものか分かっている教員は数名でした。私からその経緯を伝え、ぜひ生徒たちにも話してほしいと言いました。経緯が分かれば、その物の見方も変わることでしょう。

DSC02637.JPGどの贈り物からも、学校への思いを留めておきたいという気持ちが伝わってきますし、その当時を思い出されます。私は、いろりとラウンジの絵を見るたび、自分の中の初心を思い出すとともに、ご協力を頂いた皆様への感謝の思いを忘れてはいけないと思っています。

時代は変わっていっても、いつまでも自修館を見守り続けてほしいと願っています。