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学校長の部屋

備えあって憂いなし

DSC02534.JPG東日本大震災から3年1ヶ月が過ぎました。我々は「喉もと過ぎれば熱さ忘れる」ところがあり、意識的にときどき振り返る機会を設ける必要があります。本校では本日、その機会を設け、5時間目に防災訓練を実施いたしました。9月の防災の日に実施するところは多いと思いますが、本校では何も分からない新入生が入ってくる年度初めのこの時期に行っています。

現在、真剣に捉えられている首都直下型地震が起こったとき、M7.3クラスで死者15000人以上、帰宅困難者が650万人、経済被害112兆円と想定されています。東日本大震災のときは、本校でも学校へ泊まった生徒や帰宅できず駅で過ごしたというDSC02522.JPG生徒がおりました。その際の帰宅困難者は首都圏で515万人でしたから、首都直下型地震ではそれ以上の数字が想定されているわけです。今できることとして、地震が起きたときに何をすべきか準備をすることが必要です。本校では、「大地震発生時対応マニュアル」というお財布に入るくらいのサイズで常に携帯できるものを配布しています。これには、①身の安全の確保②避難③安否連絡④状況判断について掲載しています。もちろん、災害伝言ダイヤル「171」や災害用伝言板に関することも掲載しています。生徒たちには、実際に地震が起こったときパニックにならず、このマニュアルを見て落ち着いて行動するDSC02530.JPGようクラスにて話がされています。

さて、本日は地震の起きたあと、火災が発生したという設定で実施しました。今年も伊勢原消防署の皆さんに協力していただき、火災現場に設定されたカフェテリアの近くからスモーク(人体への影響はありません)を出していただきました。教員も生徒も煙に巻き込まれないよう、しっかりと経路を見定めて避難することが大切です。生徒たちは、「お・か・し・も」を徹底して避難場所であるJグランドへ向かいました。

また、学校の防災マニュアルでは、本部に私(校長)がいて指示を出すことになっているのですが、今年は地震発生時に私がDSC02531.JPG授業を行っていたため、その対応も確認することができました。

そして、グランド集合後、消火器の使用法とビデオ教材「煙・火災・有毒ガス」を、前期生・後期生に分かれて行いました。消火器の使用法では、伊勢原消防署の方々が変に畏まらず、生徒たちの興味を引きながら指導をしてくださいました。また、ビデオでは、火災発生時の一酸化炭素中毒の恐ろしさや避難するときの姿勢や時間についてなどを学びました。生徒たちも真剣に見入っており、もしものときを各自で考えていたことでしょう。

DSC02535.JPG「備えあって憂いなし」と言います。先にも書きましたが、地震は起こるかもしれないではなく起こるものだと考えて、それが明日であったとしても、しっかりと身を守り、最小限の被害となるようにしていかねばなりません。今日の防災訓練が、訓練のための訓練に終わらないことを願います。また、ご家族で話し合い、約束などを決めておかれることをお勧めします。