お昼過ぎから降り始めた雨は、外気も校内の温度も一気に下げてしまいました。校長室にいるときには入り口の扉を開けているのですが、校長室前の廊下は学生ホール・風除室と繋がっているため、デスクワークをしていると足元に冷たい空気が流れてくるのを感じます。レッグウォーマーのほしい季節がやってきます。
さて、そんな寒さを感じさせる天候の中、生徒たちは半袖・短パンの体操着姿で体育館へ向かっていきました。2年生男子は体育でバドミントンを実施しています。体育館の中もひんやりとしているのですが、生徒たちは全く寒そうにする様子がありません。それどころかラケットを振る身体から湯気(?)が立ち上る生徒もいたくらいです。
本日、私が体育の授業を見学したのは、この時期に教育実習生が来ているからです。すでに最終週に入っており、今日は公開研究授業を実施していたのです。本校では基本的に5月に実習生を受け入れているのですが、彼はどうしてもその時期に都合がつかず、一人だけ11月に回りました。ですから、先日の芸術鑑賞会・ホームカミングデーにも参加しています。7期生の彼は在学中サッカー部に所属し、一生懸命ボールを追いかけておりました。そのときから体育の教師になりたいと話していたようですが、その夢の一歩手前である教育実習として母校の教壇に立ったわけです。
本日の授業はやや緊張していたものの、しっかりとポイントを絞った指示を出し、見本を見せながら分かりやすく進めておりました。説明も長すぎず、身体を動かす時間は十分取れていたと思います。やはり、体育では生徒たちがどれだけ活動するかは大事なところだと思いますので、その点では生徒も達成感があったように感じます。生徒たちは研究授業で周りに先生方がたくさんいましたが、それほど意識せず普段どおりに活動してくれました。
授業が終わったあと、校長室へ話に来てくれましたが、本人は安堵の表情と悔しさの表情が入り混じったという様子でした。もっと上手に指示ができたのではないか、もっと一人ひとりを見てあげられたのではないか、もっともっと...という気持ちが強かったようです。この気持ちはとても大切だと思います。我々の仕事は生徒の可能性を引き出し、伸ばすことです。教え方の違いは、少なからずその伸びに影響が出ます。彼がこの気持ちを忘れず、常に向上心を持って何事にも向き合えば、どんどん教え方が上手になることでしょう。「進みつつある者のみ、人を教える権利あり」です。
教育実習もあと2日となりましたが、最後まで頑張り通してほしいと思います。そして、いつの日か同業として夢を語り合ったり、悩みを話したりできることを楽しみにしていたいと思います。