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学校長の部屋

第2回JEQ子育てセミナー開催

本日、生徒は休校でしたが、保護者対象の『第2回JEQ子育てセミナー』を開催いたしました。

講師はもちろん、松下信武先生です。今回も60名を越える保護者の皆様がご参加くださり、大盛況でした。今回のテーマは、「大学受験を控え、家庭で留意することは~目標へ向かう精神状態を作る~」であり、後期課程(高校段階)の保護者を中心にワークショップ形式も取り入れながら進められました。

DSCF6407.JPG松下先生は、会のはじめに「世の中、やる気を無くさせることの連続。そこで意志の強さが大切。そして、それは誰かのためになるという気持ちが無いと続かない。」と話されました。大学受験も自分のためだけでなく、将来その学習したことで多くの人のために貢献するという気持ちが必要だと言われたのだと思います。そして、大学受験の頃は思春期がほとんど終わっているが、親は思春期(反抗期)の頃の子どもの印象を強く先入観として持つため、子どもの変化に相応しい対応がとれていないことがある。変われていないのは親のほうかもしれない。そもそも思春期は、人の話を聞かないで自己中心的に見える。しDSCF6412.JPGかし、これは身体は大きくなるが中身は固まっておらず、本当は人の話を聞くことで自分が変わってしまうのではないかという怖さからくる場合もあるとのこと。思春期が終わる4年生(高校1年生段階)くらいになると自分の感情コントロールができるようになり、聞いたことを判断する力を持ち始めるため、大人として尊重しながら、正しい情報をもってアドバイスをすることが大切であるとのことです。アドバイスには、話し方・話すタイミング・選ぶ言葉などの対話スキルを高めることも必要であり、子ども本人が具体的に考えるようにすることが重要。たとえば、後ろ向きな言葉を使ったときは、それ自体をDSCF6409.JPG否定せず、別の言葉で問いかけてあげること。「計画通りできない。」と言ったら「今の自分にできる計画は何。まず、それを考えよう。」など。

松下先生は、これらを認知行動療法の観点から自己教示法(セルフ・トーク)として解説してくださいました。自己教示法とは、「自分の気持ちを前向きにしてくれるような言葉、あるいは実行すべき具体的な行動の内容などを繰り返し自分に言い聞かせる方法」であり、「特定の言葉を繰り返し唱えることで、その場で必要とされる考えや行動を具体的に自分に示すことができるとともに、それ以外の否定的な考えや後ろ向きな態度がDSCF6415.JPG侵入してくるのを抑制する効果がある」というものです。子どもたちには、このセルフ・トークを常にさせることが大切で、そのための対話を親は心がけることだと話されました。そして、最後に「人間を否定しない。そして、この考える力を大切に育てるよう導くこと。」と、目標へ向かう精神状態を作るというサブテーマにまとめられました。

途中、ワークショップも含め、保護者の方同士の考えをシェアする場面もあり、皆さんとても納得し満足された表情で終了し、有意義な時間を過ごすことができたことと思います。

次回は、1月24日(土)、『なかだるみを自律へと促すには~なかだるみと成長~』というテーマにて「第3回JEQ子育てセミナー」を開催する予定です。