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土曜講座レポート

国語講座「文学散歩 in 横浜」

港町横浜は、明治時代から多くの文学作品に登場しました。著名な作家を多く生み出してもいます。今回の文学散歩ではその横浜をめぐりました。

 

 

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文学散歩in横浜のスタートは元町の汐汲坂です。ここには中島敦が教鞭をとった横浜高等女学校の跡地があります。今は幼稚園になっていますが、その敷地には彼の有名な小説『山月記』の文学碑がありました。

(幼稚園には園児がいる時間だったので、文学碑の写真は遠慮しました。)

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急な汐汲坂を上がり、山手の丘に来ました。このあたりは開港後はしばらく外国人居留地とされていて、当時の面影がある洋館が今でも残っています。このエリスマン邸は、「横浜硝子」という明治期日本の最先端技術で作られた窓ガラスが使われています。

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大佛次郎記念館にやってきました。大佛次郎は「鞍馬天狗」や「パリ燃ゆ」などの作品を手がけた作家です。中では学芸員の方が丁寧に説明をしてくださいました。大佛次郎は横浜をとても愛していたそうで、彼の死後、遺族が遺愛の品を横浜市に寄贈したのが、この記念館の始まりだそうです。
大佛次郎記念館の隣には、県立神奈川近代文学館があります。この日の特別展は、本の装丁家の特集でした。作品の趣や面白みを最大限に表現するのに装丁はとても重要なものだということが わかりました。 

 

 

 

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山下公園は関東大震災の瓦礫を埋め立ててできた公園です。有島武郎の『或る女』では主人公・葉子が横浜港を訪れます。また、『一房の葡萄』でも主人公が歩いた辺りとして描かれています。明治から昭和初期にかけて、海外に行くにはこの横浜港を利用したのだそうです。

 

 

 

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「赤い靴はいてた女の子」像です。海のはるかかなたを見つめている女の子の像を見ていると、異国の地に渡ったきり二度と日本に戻ってくることのなかった人々の気持ちが感じられて切なくなりました。

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文学散歩のしめは中華街です。ついさっきまでいた山手の雰囲気とはまったく違っていて、これが同じ横浜かと驚きました。昼食はもちろん中華料理をいただきました。

 

 

横浜にはショッピングをしにいったことしかないという参加者もいましたが、少し視点を変えるだけで、興味深い散策ができたようです。当日は霧雨が降っていましたが、それでも横浜の町を楽しむことができました。次回の国語講座・文学散歩は10月の「国宝源氏物語絵巻を見に行こう」です。平安時代に一気にタイムスリップします!乞うご期待!