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学校長の部屋

講演会

本日、午後の時間を使って生徒対象の教育講演会を実施いたしました。講師は、筑波大学名誉教授の村上和雄先生です。テーマは「遺伝子をオンにして可能性を伸ばす」というものです。村上先生は、1983年に高血圧を引き起こす酵素「ヒト・レニン」の遺伝子解読をパスツール研究所やハーバード大学を抑えて成功されたことにより注目を集め、現在も活躍されている遺伝子工学・生命科学分野の権威です。先生は、眠っている遺伝子をオンにすれば我々の可能性はまだまだ広がると仰られています。本日は、生徒たちにも分かりやすくお話してくださいました。

IMG_4341.JPGそもそも遺伝子という言葉は理科の授業などで聞いたことはあるが、どこにどのくらいの大きさで存在し、その情報量はどのくらいかなどイメージできていない生徒が多くいます。そこで、まずひとつの細胞の核中にある遺伝子の情報量は、全人類の情報が一粒の米粒に入っているのと同じくらいに詰まっていると説明されました。受精して細胞分裂していく中で全ての細胞には同じように遺伝子が存在するが、その遺伝子の情報がオンになったりオフになったりすることで役割(皮膚・内臓・骨など)を変えていく。実際の遺伝子の働きはまだ5%ほどしか分かっておらず、このスイッチのオン・オフをするために、心の働きや食べ物・スポーツ・環境などが影響しているのだろうということでした。

IMG_4334.JPG村上先生は、心の働きがオン・オフにどのように影響しているかを調べるために吉本興業と共同研究を実施したそうです。実際に行なった実験のひとつは、糖尿病患者に甘いものを食べてもらったあと、①大学教授の話を40分聞いてもらう、②漫才を40分聞いてもらうというものです。結果として①は血糖値があがり、②は下がったそうです。これは、人の思いが遺伝子のオン・オフを変えているということになるだろうとのことでした。ネガティブストレスとポジティブストレスという言葉を使われていましたが、お笑いというポジティブストレスをかけることで身体に良い遺伝子をオンにできるということなのでしょう。いかに遺伝子情報を知り、自分にポジティブストレスをかけられるかによってその遺伝子をオンにできるかができれば、自分の可能性はどんどん広がるということです。講演会の前に村上先生と話した際、IMG_4348.JPG記憶遺伝子や老化遺伝子もあるとのことでした。

また、遺伝子は身体の設計図なのだが、規則正しい塩基配列などの設計図は誰が描いたのか、とうてい人が成せる業ではなく、目に見えない不思議なものであり、村上先生は「Something Great」と言っておられました。細胞ひとつが偶然生まれる確率は、宝くじ(1等)に連続100万回当たるのと同じなのだとも。だからこうして人として存在することは大変なことであり、有り難い・お蔭様と思うべきで、せっかくこうしていられるのだから、若い人たちには生きていることは素晴らしい、すごいことと分かってほしいと仰られていました。

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今回、村上先生にお越しいただいたのは、私が6年前に先生のご講演を聞かせていただき、ぜひ生徒たちにも話を聞かせたいと思っていたからです。5年前に脳梗塞を患われたこともありお身体が少し不自由にも関わらず、本日は1時間30分間のご講演をお願いしました。生徒たちも遺伝子・身体の不思議について興味関心を持つことができたと思います。本当にありがとうございました。