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学校長の部屋

27年度第一回講演会

本日は5・6時間目に東京大学地震研究所の中田節也先生にお越しいただき、「最近の日本の火山活動:首都圏に影響を及ぼす噴火の予測は可能か?」という演題にてご講演いただきました。最近の箱根大涌谷のことがメディアに取り上げられていますので、受験勉強で余裕の無い6年生たちも身近な話題と言うことで1~5年生とともに興味を持って参加していました。中田先生は、これまでに雲仙普賢岳の噴火や西ノ島など数多くの噴火を研究されています。

DSC03774.JPGご講演の内容は、「①噴火の仕組み、規模や規則性、②最近噴火が多いのか、大地震のあとに噴火が起きやすい?、③御嶽山と大涌谷、④富士山は噴火するのか?、⑤富士山噴火で予想される災害」以上、5項目です。

まず、噴火については、「地下にある固形物(岩石・溶岩、火山灰など)が火口から一気に空中に噴き出す現象」と定義され、水蒸気や噴気だけの放出は噴火とは言わないと説明されました。噴火には「①水蒸気噴火、②マグマ噴火」の2種類があるそうです。最近の御嶽山の噴火や噴火が懸念される箱根の大涌谷は水蒸気噴火にあたるとのことです。また、火山噴火の規模は火山爆発指数または噴火マグニチュードで表されます。富士山の300年前の宝永噴火はM5、最近の御嶽山はM2クラスだそうです。M7クラスの超巨大噴火は、日本では7万年前に九州で起こっており、そのあとはカルデラとして残っているとのことです。そして、火山噴火は統計的にランダムに起こっているわけではなく、地球上でも火山帯ごとにも規模と頻度には規則性が見られるそうです。

また、噴火の激しさの違いをコカコーラのペットボトルに例え、実際にステージ上で演示実験のように見せてくださいました。一番近くで話を聞いていた1年生たちもその様子から興味を持つことができたのが分かります。

DSC03771.JPG噴火と地震の関係性については、地殻活動が活発になると地震も噴火も多くなることから明らかな証拠は無いが因果関係はあると考えると仰られました。地震で火山噴火が誘発されるとしたら原因は3つ考えられるそうです。ひとつは、地震によって圧縮されマグマが絞り出される、二つ目は地震動によりマグマ溜まりが揺さぶられてマグマが発泡する、三つ目は地震によりマグマ溜まり周辺の応力が変化(減圧)によってマグマが発泡するものとのことでした。

現在、心配されている大涌谷は、起こるとしても水蒸気噴火でありM1~2程度の小規模のものだそうです。では、富士山はというと、観測によって1~2ヶ月前に前兆をとらえられるはずなので今すぐに噴火するとは考えられないが、起こるとするとマグマ噴火になるとのことです。しかし、前回の噴火から300年以上経過しており、調査して分かっている約2000年前からの噴火と噴火の間隔では一番長いそうです。もし、宝永噴火レベルが起こると本校のある伊勢原市あたりでは火山灰が20cmほど堆積すると予測されます。その他では、東海道線や航空路、火力発電所、水源地への影響が考えられるとのことでした。

最後に、防災という観点で考えると、自然を理解し備えること・地学的背景を学び知識として持つことが大切であると話してくださいました。

生徒たちは、2011年の東日本大震災から首都圏直下型地震や南海トラフ地震などが心配される中、御嶽山の噴火や箱根の大涌谷・蔵王山などの様々な現象を耳にし、身近なところで不安を抱えていたと思います。中田先生のお話を聞くことで慌てることなく、これからはしっかりと備えることを心掛けていけることでしょう。

中田先生、本日はありがとうございました。